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観光年...でしたよね、確か(;´д⊂)

11月も最後の土曜日になりました。

依然として非常事態宣言が続くパキスタン。
秋から冬にかけての「モヘンジョダロツアー」や「ガンダーラツアー」も遠い夢の世界。

思えば(遠い目・・・)、パキスタンの歴史始まって以来の【Visit Pakistn 2007パキスタン観光年】は1月末のイスラマバード・マリオットホテルでの自爆テロに始まり、2月初旬のイスラマバード空港での自爆テロ未遂、3月初旬の最高裁長官の停職処分を巡っての衝突、5月のカラチでの暴動、7月から始まったラールマスジッドでの神学生立てこもり事件、そして10月のベネジール・ブット元首相を狙っての大規模な自爆テロ、11月の非常事態宣言...とあたかも観光年のイベントカレンダーのごとく、毎月のようにどこかで何かが起きました。

先日も同業者の友人と「いやぁ2007年はYear of Tourismの予定がYear of Terrorismになっちゃったね~」と苦笑いしていたのですが、本当にトホホです。

911直後から低迷の続くパキスタン・ツーリズム。都市部のホテル業界と航空業界を除いては皆、相当に苦労しているはずです。低迷期が6年間というのは各社ともに貯蓄がいよいよ底をつく頃でしょうし、若手人材のツーリズム業界への就職は激減し続けて今や殆どゼロに近くなっています。

観光産業は外貨獲得の為に最も有効な手段で、設備投資も他の産業に較べるとうんと低コストに抑えられます。女性の社会進出にも最も優しい業界ですし、パキスタンほどの自然資源と文化遺産を持っている国が、それらを十分に活用しきれていない状態は勿体無い限りです。

「政府の取り組みが悪い!」と責任を転嫁してしまえばラクではありますが、問題の解決にはならないですし、民間の企業でも出来ることをコツコツと重ねていかなくてはならないと感じます。自分達の会社が生き残る為というよりも業界全体が生き残る為に真剣に考えなくてはならない時に来ているのですが、残念ながらパキスタンは同業者組合が健全に機能する土壌では無く、右手で握手しながら後ろに回した左手でナイフを握っている...という感じです。

日本のように旅行業協会やツアーオペレーター協会が真剣に観光業の明るい未来について語り合い、学びあい、行動を起こし、啓蒙活動を行う…という図式が望めないのが残念なことです。

また個々人も即効性のある方法に飛びつく人が多いので、業界内転職も激しく「今、受注の多い会社はどこだ?」と各社の動向を伺っている人達が殆どですし、ホテルなどの関係機関も追い風が吹いている旅行会社会社には優しいですが、逆風の会社には冷たく、そのギャップは非常に明確です。

・・・ということは有能な人材を確保する為にも、安定したサービスを提供する為にも、良心的な料金を約束する為にも、企業は常に勝ち続けなくてはならないということなのですよね。

日々そんなことを考えていますが、こんなにも自爆テロが続くとちょっぴり落ち込んでしまいますね…。
by pakistan_tourism | 2007-11-24 13:21 | 治安情報